飼い猫が、爪とぎをあまりしなくなった、毛づくろいをしなくなった、高い所に登らなくなった。
こんな様子はありませんか?
高齢の猫ちゃんを飼っている飼い主さんなら、きっとあるあるな行動だと思います。
それ、”年のせい”ではなく、関節炎かもしれません。
- 爪とぎができておらず、爪が太くなっている
- 毛づくろいの頻度が減り、毛玉ができるようになった
- 高い所に登らなくなった
- 特定の部位をしきりに舐める
- 便秘をしている
こんな行動がみられる猫ちゃんの飼い主さんへ、猫の関節炎について詳しくお伝えします。
変形性関節症:骨と骨の間のクッション(関節軟骨)がすり減り、関節が変形してしまう病気のこと
原因:主に加齢、肥満、外傷による軟骨のすり減りが原因で起こる
こんな人が書いてます→プロフィール
発病している割合
年齢 | 割合 |
---|---|
1-4歳 | 14.3% |
5-10歳(平均7.4歳) | 70.0% |
11歳以上(平均15.5歳) | 93.8% |
7歳以上の猫の7割、15歳以上の子の9割が体のどこかに関節炎を発病しています。
関節炎を起こしやすい部位

- 肘:50%
- 膝・かかと:35%
- 手首:20%
- 肩・股関節:5%
変形性関節症のうち、脊椎(背骨)に関節炎が起きたものを変形性脊椎症といいます。
症状(行動)
関節炎は高齢になったときの行動の変化によく似ており、かつ症状がゆっくり進行するため、気づきにくい病気です。
いわゆる『年のせい』と思ってしまいがちで、変だなと思った時にはかなり病気が進行していることが少なくありません。
症状が進行すると、”痛み”が伴います。
- 寝る時間が増えた
- 動きたがらない
- 高い所へ登らない
- 爪とぎや毛づくろいをしなくなった、回数が減った
- 便秘(変形性脊椎症)
- etc…
変形性脊椎症の場合は、排便のときに腰に痛みが生じ、ふんばることができず、便秘になる場合があります。
飼い猫の腰、尻尾の付け根を指で軽くトントンしてみてください。
鳴いたり、嫌がったりする場合はこの病気の可能性が高いです。
治療法と予防
傷ついてしまった関節自体を完全に治療する方法はありません。
そのため、関節の痛みをやわらげたり、症状の進行を遅らせることが治療法になります。
痛み止めの飲み薬や、鍼治療、関節のサプリメントを使用する場合が多いです。
私の飼い猫であるテン治郎くんにも関節炎があり、サプリメント(アンチノール)を飲んでいるので、サプリについて詳しくは次回ご説明します。
- 太らせない
- 適度な運動(筋肉量を保つ)
- 関節のサプリメント
過度な体重は関節軟骨をすり減らす原因になります。
太らせない事が大切ですが、太っている子はダイエットをすることによって関節への負担が減らすことができます。

さいごに
人間も年齢を重ねると徐々に膝や腰が痛くなる事が多くなると思います。
そうなると湿布を貼ったり、マッサージや鍼治療、薬やサプリメントを飲んだりしますよね。
猫ちゃんも同じです。(湿布を貼ることはできませんが^^;)
高齢(7歳以上)になったら”うちの子は関節炎がある”と思って、症状が見られなくても(猫は痛みを隠す動物です)、サプリメントは飲ませたほうが良いと思います。
特に関節炎のサプリメントはEPAやDHAが配合されているものがほとんどで、抗酸化成分は認知症を遅らせてくれる効果もあります。
変形性関節症は完治する病気ではないため、病気とうまく付き合っていく必要があります。
できるだけ痛みがないように過ごさせてあげるためにも、今回お伝えした症状があるようでしたら、早めに動物病院へ連れて行って診てもらってくださいね。
今回の記事が高齢猫ちゃんの飼い主さんへ、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!