あれ?トイレに何回も行ってる・・・でもおしっこが出ていない・・・?
普段だったらすぐに動物病院へ行きますが、年末年始、病院はどこもお休み・・・こんな時、どうしますか?
様子を見て大丈夫?救急病院?判断も難しいですよね。
今回は飼い猫が元日に膀胱炎になってしまい、私が行った3つの対策をご紹介します!
この対策を行ったことで、翌日には頻尿(少量のおしっこを何回もすること)はなくなりました。
その3つの対策とは・・・・
- フードの変更
- 水を飲ませる工夫
- ストレスケア
以下、詳しくお伝えします。
こんな人が書いてます→プロフィール
But!こんな症状があるときはその日のうちに救急病院へ!
- 尿が1日まったく出ていない
- 排尿中に鳴いている
- 尿が赤い(血尿)
猫の下部尿路疾患って?
猫の尿路に関する病気の総称のこと。
- 何度もトイレに通ってふんばっている
- トイレ以外でそそうする
- 尿に血が混じっている
- 排尿中に鳴いている
- 尿が1日まったく出ていない【緊急】
下部尿路疾患には、以下のような病気があります。
下部尿路疾患のうち、約6割が特発性膀胱炎といわれています。
- 特発性膀胱炎:結石や感染がなく、原因がはっきりしない膀胱炎のこと。再発を繰り返しやすい。ストレスが一因のことも。
- 尿路栓子
- 尿路結石症:尿中のミネラル分がくっつきあって砂や石のような物質が尿路につまると、尿がでなくなり(尿道閉塞)その状態で放置すると数日で亡くなってしまうことも。
中でも尿道がメスよりも長いオス猫の尿路結石症は本当にやっかいです。
結石の種類は成分によって何種類かありますが、猫ではストルバイト、シュウ酸カルシウムが発生の90%を占めています。
- ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム):尿のpH(ペーハー)がアルカリ性に傾くとできやすい。比較的若齢の猫に多い。治療やフードで溶かすことができる。
- シュウ酸カルシウム:尿のpHが酸性に傾くとできやすい。比較的高齢の猫に多い。溶けないため、結石を取り除くには手術による摘出が必要。
中には、ストルバイトとシュウ酸カルシウムが混合した結石ができる子もいます。
飼い猫の膀胱炎とその対策
1月1日の元日に飼い猫が頻繁にトイレに通うように。

名前:テン治郎♂(去勢済み)
品種:マンチカン×シンガプーラ
年齢:5歳位
症状:トイレに何度も通う(1時間に1~2回)、尿が少量しか出ていない(うずらの卵大)、落ち着きがない、血尿なし、痛がって鳴く様子なし
今回は少量ずつですが尿は出ており、元気・食欲ともに良好だったので緊急性はないと判断しました。
普段だったら職場に連れて行きますが、あいにく職場も休診。
まずは家でできる対策をおこないました。
①フードの変更
泌尿器ケアの療法食にその日のうちに変更しました。
元々”ニュータードケア”という泌尿器のケア効果もあるフードを与えていましたが、完全に泌尿器の療法食に変更。
ロイヤルカナンのユリナリー系、もしくはヒルズのc/dコンフォートであれば問題ないと思います。
ウェットフードを食べる子であれば、ドライフードよりウェットの方が水分を取る意味でおすすめです。
おすすめフード2選
テン治郎くんにも、ユリナリーs/oライトパウチを与えました。
(年末年始も営業しているスーパーに感謝です)
+たまに与えていたおやつ(ちゅーる)を中止。
②水を飲ませる工夫
冬は特に水を飲まなくなることで膀胱炎や尿路結石症になりやすくなってしまうので、ウェットフードにぬるま湯を浸して与えることで、水分摂取を図ります。
☆飼い猫に水を飲ませる方法については、別記事にて詳しくお伝えしています。
是非参考にしてみてください↓↓↓

③ストレスケアサプリ
膀胱炎の原因の一つに、ストレスが考えられます。
年末年始は忙しかったり人が多く来たりと、犬猫はいつもと違う環境にストレスを感じやすい時期でもあります。
テン治郎くんの場合は分離不安の薬(クロミカルム)をしばらく与えていなかった(これが一番の原因かも;)ので、お薬の再開。
他にストレスケアのサプリとして、ジルケーンがあります。
牛のミルク由来の天然成分配合。不安や興奮を和らげ、気持ちを落ち着かせてくれるサプリメントです。
小型犬・猫:75mg
体重:~5kg…1日1カプセル 体重:5~10kg…1日2カプセル
中型犬・大型犬:225mg
体重:10~15kg…1日1カプセル 体重:10~30kg…1日2カプセル
写真のドライフードは”c/dマルチケアコンフォート+メタボリックス”(尿ケアストレスケア肥満ケアとトリプルで対応できすフード)です。
1日1回~2回に分けて与えます。
- カプセルのまま与える
- カプセルを開けてパウダーをウェットフードにかける
- ドライフードにかけて水を加えて与える
その後のケア
幸い、テン治郎は翌日には頻繁にトイレに通うこともなくなり(1日に1~2回位)、1度のおしっこの量もテニスボール大くらいに。
が、ここで安心せず、膀胱に結晶・結石がないか、この後の検査が大切になります。
- 尿検査(結晶がでているか、結晶の種類の診断)
- レントゲン検査(結石の有無)
- エコー検査(結石以外に、何か腫瘍などができていないか診断)
もし異常があれば病気の治療、なければ膀胱炎の再発を予防するためにも、お伝えした3つの対策の継続をおすすめします!
まとめ
今回は特発性膀胱炎のお家でできる対策についてお伝えしました。
何か異常があったら、普段だったら病院に連れて行けるのに、今回のように年末などはかかりつけが休診なことも多いですよね。
そして冒頭でもお伝えしましたが、もし尿が丸1日でていなかったら緊急です。
3日尿が出ていなかったら命に関わりますので、年末なども対応している救急病院へすぐに連れて行ってあげてくださいね。
とにかく猫ちゃんにはお水を飲ませることが大切です。
冬は寒さから水を飲まなくなるので、泌尿器の病気になりやすくなってしまいます。
特に膀胱炎は再発が多い病気ですので、症状がなくなってもフードやストレスには気を付けてあげましょう。
今回の内容が、猫のおしっこの病気でお困りの飼い主さんのお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!