秋~冬のこの時期、寒くなると猫は水をあまり飲まなくなる事から、猫の尿に関する病気が本当に増えてきます。
猫の祖先はもともと砂漠など乾燥地帯で生活していたので、少ない飲み水で体内の水分量を保つために、濃い少量のおしっこを排泄する動物です。
濃いおしっこはミネラルなどが凝縮され、結石ができやすくなったり、膀胱炎をおこしやすくなります。
膀胱炎や尿路結石症など、猫の尿路に関する病気の総称を”下部尿路疾患(FLUTD)”といいます。
下部尿路疾患は再発がとても多い病気で、この病気にさせない、もしなってしまったら再発を防ぐために、どういったことをしたら良いかをご説明したいと思います。
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猫の下部尿路疾患って?
猫の尿路に関する病気の総称のこと。
中でも尿道がメスよりも長いオス猫の尿路結石症は本当にやっかいです。
- 特発性膀胱炎:結石や感染がなく、原因がはっきりしない膀胱炎のこと。再発を繰り返しやすい。ストレスが一因のことも。
- 尿路栓子
- 尿路結石症:尿中のミネラル分がくっつきあって砂や石のような物質が尿路につまると、尿がでなくなり(尿道閉塞)その状態で放置すると数日で亡くなってしまうことも。
結石の種類は成分によって何種類かありますが、猫ではストルバイト、シュウ酸カルシウムが発生の90%を占めています。
ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム):尿のpH(ペーハー)がアルカリ性に傾くとできやすい。比較的若齢の猫に多い。治療やフードで溶かすことができる。
シュウ酸カルシウム:尿のpHが酸性に傾くとできやすい。比較的高齢の猫に多い。溶けないため、結石を取り除くには手術による摘出が必要。
中には、ストルバイトとシュウ酸カルシウムが混合した結石ができる子もいます。
- 何度もトイレに通ってふんばっている
- トイレ以外でそそうする
- 尿に血が混じっている
- 排尿中に鳴いている
- 尿が1日まったく出ていない【緊急】
再発を防ぐ6つの方法
約半数が再発するといわれている下部尿路疾患。
再発を防ぐ6つのポイントをお伝えします。
食事に気を付ける
下部尿路疾患は体質やストレスも関係しているので、値段の高いフードを食べているから尿石症にならないわけではありませんが、安価なフードを食べているとなりやすいのは事実です。
ヒルズ・サイエンスダイエットやロイヤルカナンなどある程度有名メーカーの方が安心かなと思います。
ちなみに私自身は飼い猫(去勢済み♂)にはロイヤルカナンのニュータードケアを与えています。
そして下部尿路疾患は食事療法食による治療・予防が効果的です。
下部尿路に配慮された療法食は、結石の種類によって成分が異なり、種類がたくさんあるのでまた別記事にてご紹介します。
再発が多い病気なので、一度下部尿路疾患になったことがある猫ちゃんは、療法食を与え続けた方が良いです。水分量の多いウェットフードをトッピングするのもおすすめです。
おやつに気を付ける
食事で調整した栄養バランスが、おやつの成分によって崩れてしまう事があります。
肥満防止のためにも日常から与えすぎには気を付けて、病気の症状があるときはおやつは与えないようにする、もしくは下部尿路に配慮されたトリーツを与える事をおすすめします。
1袋500gなど規格の小さい療法食を小分けにして与えたり、ウェットフードをおやつ替わりに与えるのも良いです。
トイレを清潔に
猫のトイレ事情は人間が思っているよりとても重要です。
おしっこを我慢させないためにも、こまめに掃除して清潔に保ちましょう。
- トイレの大きさは猫の体長の1.5倍以上のもの
- トイレの数は”猫の飼育頭数+1個”用意する
- トイレの場所は食事場所から離れた静かな場所に置く
- 屋根など覆うものがない方が好む傾向
- 猫砂の種類は、猫の好み有。比較的固まる鉱物系が人気。
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太らせない
太る→活動量が減る→水を飲む量が減る→濃いおしっこになる→尿石症
肥満による運動不足は、水を飲む機会を減らし、結石をつくりやすくしてしまいます。
不妊や去勢をするとどうしても太りやすくなるので、手術後はカロリーが控えめのフード(ヒルズのPRO体重管理やロイヤルカナンのニュータードケア)を与えることをおすすめします。
すでに肥満、肥満傾向な猫ちゃんは、”尿ケア+ダイエット”に配慮した療法食もありますので、是非試してみて下さい。
- pHコントロール+満腹感サポート(動物病院専売)
- c/dマルチケアコンフォート+メタボリックス
カロリーが低く痩せやすいのはpH満腹感ですが、特発性膀胱炎などのストレスに配慮されているのはc/dメタボです。
水を飲むよう工夫する
猫は寒くなると水を飲まなくなり、尿が濃くなることから尿石症になりやすくなると冒頭でご説明しました。
飼い猫になんとか水を飲ませたい、飲水量を増やす方法をいくつかお伝えします。
- 家の中に数か所用意する(猫の通り道などにも)
- こまめにかえる(ぬるい水、新鮮な水、流れる水などできれば数種類用意)
- 容器を工夫する(陶器を好む傾向)
- ウェットフードを与える
- いつも与えたらすぐ完食する子は、ドライフードに水をひたして与える
お水を飲んでもらうための、おすすめ商品をいくつかご紹介します。
ヘルスウォーターボウル
うちのこエレクトリック +AQUA
【商品紹介】
流れる流水、ごくごく飲んで健康維持!音がとても静かな超静音を実現。
3層フィルターで毛や埃以外にも残留塩素やカルキ臭なども除去。
4.18°の傾斜で頸椎の負担を軽減してくれて、毎日のお手入れも簡単、な猫にも人にもありがたい商品です。
ジェックス ピュアクリスタル コパン猫用
ストレスを減らす5つのポイント
ストレスは特発性膀胱炎の主な原因のひとつといわれています。
なるべくストレスを与えない、ストレスを解消できる方法をお伝えします。
- 高い場所、気持ち良くくつろげるスペースを作る
- 安心して隠れる、休める場所を用意する
- 爪とぎできるものを与える
- 玩具やグッズで遊べる場所を用意
- 外の景色が見えるようにする
もし同居猫や同居動物と相性が悪く、それがストレスで病気になっている場合は、それぞれ別の部屋で飼う、ケージを使用して部屋に出す時間を決めて会わないようにするなど対策が必要です。
猫壱 バリバリボウル
【商品紹介】
直径40cm、大型サイズのベッド型爪とぎ。
猫のからだにぴったりフィットする構造で虜になるにゃんこ続出の魅惑のベッド。爪とぎ部分のみを交換できて長く使えて経済的。他30cm・48cmのサイズも有。
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定期的に動物病院で検査を
症状がなくなると治った!大丈夫!と思いがちですが、再発が多い病気ですので定期的な検査が重要になってきます。
- 尿検査
- 超音波エコー検査
- レントゲン検査
などで定期的に膀胱や尿の状態を確認することをおすすめします。
まとめ
猫の下部尿路疾患の再発を防ぐ方法についてお伝えしました。
尿路結石症で結石が尿道につまり尿がでなくなってしまうのはほとんどがオス猫です。
尿路閉塞の場合は緊急性が高く、すぐに処置をしないと命に関わります。
病院での処置はカテーテルという細い棒を尿道に入れて、尿道と膀胱を洗う処置を行います。
尿がでなくなってしまうこともとても苦しいことですが、血液検査の結果次第では無麻酔で行うことが多く、処置には強い痛みが伴います。
猫のおしっこの病気はならないよう、再発させないよう気をつけてあげてくださいね。
オス猫で、かつ去勢済みで肥満傾向の場合、飼い主さんは特に注意が必要です。
今回の内容が、猫の下部尿路疾患でお困りの飼い主さんのお役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!