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犬との暮らし

『ぼくの目、大丈夫?』白内障を悪化させないための3つの方法

目は口ほどにものをいう、とよく言いますが、感情表現豊かなワンちゃんはアイコンタクトを使ったコミュニケーションがとても上手です。
そんなワンちゃんの黒目が、白く濁ったり、目が見えづらそうにはしていませんか?

こんにちは、カオリ(@Happy_PetLife)です。
今回は犬の”白内障”についてお伝えします!
白内障はヒトでもよくある病気なので、ご存じの飼い主さんも多いかもしれません。

↓の写真は、16歳のMダックスの目です。

ここまで白く濁っていれば気付けると思いますが、白内障は初期の段階では気付くことができません。
病院で特殊な機器を使って検査をしないとわからないんです。

ヒトの場合は、白内障の原因はほとんどが加齢によるものですが、犬の場合は1歳未満や6歳頃までに発症する若年性白内障も少なくありません

  • 黒目が白っぽい
  • 物にぶつかるようになった
  • 段差につまずく
  • ボールなどおもちゃを投げても気が付かない

こんな行動があるワンちゃんの飼い主さんへ、今回は”白内障”についてお伝えしたいと思います。
参考⇒「どうぶつの眼科疾患を診てみよう!」久保明獣医師

白内障ってどんな状況?

カメラのレンズのような役割をしている”水晶体”のタンパク質が固くなり、白く濁ることで視覚障害を起こす病気です。
卵で例えるとわかりやすいかもしれません。

濁った水晶体は、元に戻すには手術しかありません。

ちなみに、猫も白内障にはなることがありますが犬よりは白内障になる確率はとても低いです。

原因は?

  • 加齢とともに体が酸化することで、症状がゆっくり進行する高齢性白内障
    10歳を超える犬では症状を確認できることが多いですが、実は6歳頃から少しずつ進行している場合もあります。
  • 若くして起こる白内障(若年性白内障)は、遺伝的(犬種的)な問題が一番考えられます。わずか1週間ほどであっという間に進行して重症化してしまう場合もあります。
  • ケンカや異物による水晶体の損傷
  • 糖尿病による代謝異常
  • etc…

物にぶつかったり、黒目が白っぽくみえるような、飼い主さんが目に見える症状がある段階では、かなり白内障が進行している状態です。

進行が早い若年性白内障の場合、ブドウ膜炎などの合併症を起こすことが多く、その場合は痛みにより眼をショボショボさせたり、白目の充血などが起こります。

なりやすい犬種

加齢による白内障は、特に犬種による違いはありませんが、若い頃に発症する遺伝性の疾患には、発生頻度の高い好発犬種の報告があります。

  • アメリカンコッカースパニエル
  • 柴犬
  • プードル
  • ビーグル
  • シーズー
  • フレンチブルドッグ
  • キャバリア
  • ジャックラッセルテリア
  • パピヨン
  • Mシュナウザー

治療法は?

視覚回復のためには、手術(全身麻酔下で、水晶体を取りだす方法と超音波で水晶体を砕いて取る方法)が唯一の根治治療になります。
手術ができるのも限られた施設で、眼科専門の獣医師ではないと行うことはできません。
ほとんどの場合が、かかりつけ病院からの紹介になります。
高齢犬の場合は、年齢と体への負担も考え、進行を予防する治療を希望される方が多いです。

進行を予防する3つの方法

白内障を手術以外で治すことはできませんが、病気の進行を遅らせるには3つの方法があります。

予防方法
  1. 早期診断:好発犬種は若い頃から、定期的な眼科検診をおすすめします。
  2. サプリメント:ぶどう種子エキス、アスタキサンチン、ルテインなどが含まれたサプリメントを飲む
  3. 目薬:ピレノキシン、グルタチオン製剤

白内障を放置すると、ブドウ膜炎や緑内障など他の病気を続発して、失明してしまうこともありますので、必ずかかりつけの動物病院で診察して、その子の症状にあった目薬などを処方してもらうようにしてください。

サプリメントについては別記事で詳しくお伝えしていますので、そちらの記事を是非参考にしてみてください!

【きらめく目の輝き】犬猫におすすめ、”目”のサプリメント3選【白内障予防】犬猫の白内障やドライアイなどの”目の病気”の進行を抑制、予防するサプリメントのご紹介をしています。眼疾患があるワンちゃんネコちゃんはもちろん、目薬が苦手な飼い犬飼い猫にサプリメントを与えてみるのはどうでしょうか?...

飼い犬が白内障と診断された場合

犬は視覚以外に、嗅覚や聴覚が発達しています。
人と違って物をクリアに見る必要がないため、視覚障害があっても今までの経験と感覚で暮らしていくことは可能です。

  • 家具の配置を変えない、模様替えをしない
  • 角やでっぱりなど、犬の目のある位置にぶつかりそうな物があれば保護カバーをする
  • 階段がある場合は、登れない、降りれないように柵やフェンスなどを設置する
  • 身体を触る前は声をかけるなど、急に触らないようにする

さいごに

今回は犬の白内障についてお伝えしました。
白内障は進行してしまうと手術をする以外治す方法がないので、初期段階で飼い主さんは気付くことができないからこそ、定期的な検診が大切になってきます。

好発犬種は若い頃から定期的に眼検診を、好発犬種じゃない場合も、6歳を過ぎた頃から定期的に眼検診をしてもらってください。

今回の内容が、飼い犬の白内障でお困りの飼い主さんの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!

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カオリ
北海道の動物病院に勤務する、動物看護師です。 犬、猫、動物を愛しています! ペットと飼い主さんの笑顔が増えるよう日々研鑽しています。 暮らしに役立つペット情報や犬猫の病気・フード・介護の事などをわかりやすくをモットーに発信しています。 ペットと一緒にハッピーライフを^^