低脂肪フード、というと、肥満気味のわんちゃんに与えるイメージが多いかと思いますが、実は下痢や嘔吐、膵炎やタンパク漏出性腸症など消化器の病気のときに大活躍します。
膵炎などの消化器の病気は、食事管理がとても重要です。
今回の内容は、
- 膵炎、タンパク漏出性腸症の時にどんなフードを与えたら良いかわからない
- 食欲がないときはどうしたら?
- 既製品の低脂肪フードを全く食べない・・・
こんなお悩みをお持ちの飼い主さんへ、おすすめの低脂肪食と、食欲がないときの対処法をお伝えします。
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*犬の膵炎について詳しくお伝えしていますので、あわせてこちらもご覧いただければと思います↓↓↓

膵炎の時になぜ低脂肪食を与えるのか?
膵炎の時は消化の負担を減らすためにも、低脂肪食を与えた方が治りが早く、再発しづらいです。
また、膵炎が治った場合は、今までのフードに戻しても大丈夫(高脂肪のオヤツやフードは控える)ですが、再発する様なら低脂肪食のみを与えた方が良いでしょう。
おやつも低脂肪のおやつを与えるようにします。
消化を助ける意味で、膵炎で治療中はまず初めは缶詰、もしくはドライフードをふやかしたものを与えるのをおすすめします。
おすすめ低脂肪食4選
いくつか、低脂肪フードをご紹介します。
市販の”低脂肪”とかかれているフードの中には、ダイエットには有効ですが、病気の子に与えるにはそこまで低脂肪になってないものも多くあります。
今回は病気の子に与えるための低脂肪療法食をご紹介しています。
低脂肪フードは市販のフードより嗜好性がやや劣るため、ワンちゃんが食べてくれるかどうかが重要です。
初めは小さい規格を選んで購入し、食べてくれるかどうか試してみるのをおすすめします。
①ドクターズケア ストマックケア 低脂肪
◆ドクターズケア ストマックケア 低脂肪 ドライ
(800g/3kg)
定価:¥1,980(800g)/¥5,720(3kg)
<商品紹介>
- 下痢・嘔吐などの消化器症状や、すい臓の健康維持に配慮して、脂質を制限
- 消化性に優れた主原料(米・フィッシュミール)を使用
- 消化管内の腸内細菌のバランス維持のため、乳酸菌成分・可溶性食物繊維(フラクトオリゴ糖・難消化性デキストリン)を配合
- 他のメーカーのフードと比べても、嗜好性が高い国産フードです。
- 比較的定価が他の療法食より安いので、私の職場でも人気があり続ける方が多いです。
- 800gの規格は、400gずつ小分けされているのも良いポイント。
Amazonでも販売されていますが、インターネットの場合価格が定価より高いので取り扱いをしている動物病院で購入することをおすすめします。
フードの詳細がわかるようにAmazonのリンクだけ貼らせて頂きます。
②ロイヤルカナン ドッグフード 消化器サポート(低脂肪)
◆ロイヤルカナン ドッグフード 消化器サポート(低脂肪)ドライ/缶
(1kg・3kg・8kg/200g)
<商品紹介>
- 脂肪制限が必要な犬のために、脂肪含有量を調整
- 低脂肪でも必要なエネルギーを摂取できるように、食物繊維の含有量を調整
- 消化管の健康維持に配慮して高消化性に設計
- プレバイオティクスを含む複数の食物繊維をバランスよく配合
- ロイヤルカナンのお腹が弱い子、消化器疾患のある子に大人気商品。
- 粒が大きくて食べにくいわんちゃんには、動物病院専売ですが『消化器サポート低脂肪 小型犬用』も有り。
- 8kgサイズがあるので、大型犬や多頭飼育にも与えやすいフードです。
『低脂肪』ではないノーマルな『消化器サポート』もあるので購入の際はお間違えのないようお気をつけください。
③ヒルズ プリスクリプション・ダイエット i/d コンフォート小粒 チキン
◆ヒルズ i/dコンフォート小粒 チキン
(1kg・3kg/156g)
<商品紹介>
- ストレス性の消化器疾患に配慮
- 優れた消化性と低脂肪
- プレバイオティックファイバーとショウガを配合
- 高レベルのオメガ-3脂肪酸配合
- 膵炎の原因の一因ともいわれる、”ストレス”に配慮された低脂肪フード。
- 小型犬も食べやすい小粒サイズ。
- ”i/dローファット”も低脂肪でおすすめですが、ローファットよりコンフォートの方が嗜好性が高い印象なのでコンフォートをご紹介しました。
缶詰(チキン&野菜シチュー缶)もありますが、現在新型コロナの影響で欠品が続いています。
④ピュリナプロプランEN 消化器ケア

◆ピュリナプロプランEN 消化器ケア
(1kg)
<商品紹介>
- 腸内細菌叢の乱れに起因した緩い便に配慮し、コロストラム(初乳成分)を配合
- 抗酸化成分(ビタミンAおよびE)が健康を維持することにより、免疫系をサポート
- 消化吸収しやすい 中鎖脂肪酸を配合
- 病院専売フードになります。
- カロリーが他製品に比べて高い(380kcal/100g)ので、痩せている子におすすめ。
- 規格が1kgのみなので、小型犬向きです。
こちらのフードにご興味のある飼い主さんは、取り扱いをしている動物病院へご相談してみてください。
食欲がない場合
何も食べてくれないときは、少しでもカロリーをとれるよう、流動食をスポイトや注射器などで与える方法があります。
- 液体なので、スポイトや注射器で直接与えます。
(2kgの子で1日100ml、4kgの子で1日1本(200ml)飲んでもOKみたいですが、食欲のない子はそんなに飲めないので無理せず少しずつ与えましょう) - ドライフードにトッピングして与えてもOK。
- 開封後は冷蔵保存し48時間以内に使用。
ドライフード・缶詰などを食べない場合
フードをふやかしてみたり、温めてみたり、流動食を混ぜても食べない場合は、手づくりでフードをトッピングする、もしくは手づくり食のみを与えるようにします。
とりささみ・じゃがいも・白ごはんを1:1:1で与える方法が基本になります。
低脂肪の手づくり食について別記事でご紹介していますので、良ければ一緒にご覧ください↓↓↓

さいごに
今回は膵炎などの消化器の病気の食事管理、低脂肪フードについてお伝えしました。
膵炎の時は食欲がなくなる子が多く、数日食べない事もしばしばあります。
飼い犬が食べないことは飼い主さんにとっても不安やストレスになりますし、色々試してみる方も多いのではないでしょうか。
私自身も愛犬が膵炎になったとき、手づくり食の本を読み漁り、膵炎でも食べられそうな様々な低脂肪食を与えていました。
ただし、わんちゃんが嫌がるようなら無理はしないことも大切です。
フードや流動食を注射器などで与える場合も無理はせず、少しずつ時間を空けて与えるようにしましょう。
次回は手づくり低脂肪食についてお伝えします。
今回の内容が、膵炎時の食事でお困りの飼い主さんへ、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!