もしも自分が弱っている子猫を拾ったら・・・?
子猫を保護したときにまず初めにしなければいけないこと、ご存じでしょうか。
正しい知識があることで、小さな命を救う事ができるかもしれません。
昔よりずっと減りましたが、今も親猫の育児放棄、飼い主の飼育放棄などで、生まれたばかりの子猫が外の環境で独りぼっちになってしまう状況が少なくありません。
もしも外で衰弱した子猫を保護した場合、まずどうしたら良いのかなど、”子猫の育て方”について3回に分けてご説明したいと思います。
- 保護したときにまずはじめに行うこと
- 週齢(ねんれい)の見分け方について
- 人口哺乳と排泄について
(参考:2019年日本臨床獣医学フォーラム)
こんな人が書いてます→プロフィール
一番大切なのは”あたためる”こと
弱って保護された子猫は、ケガや感染症、低体温など健康状態が悪いことが多く、まずはあたためることが何より大切です。

<子猫のあたため方(例)>
- 子猫をタオル(毛布、フリース)でくるむ
- あたたかいお湯入りのペットボトルをタオルにまいて子猫のそばに置く
- やわらかい保冷剤(冷えてないもの)を熱いお湯の中にいれて温め、少し熱めの状態でタオルをまいて子猫のそばに置く
- ペット用ヒーターを敷く
適切な温度管理
あたためるといっても、いったい何度くらいが子猫にとって丁度良いのでしょうか。
湿度は大体50~60%位が目安ですが、温度ほと意識しなくても大丈夫です。
週齢 | 温度 |
---|---|
0-1週齢 | 29-32℃ |
1-2週齢 | 26-29℃ |
2-3週齢 | 24-27℃ |
3-4週齢 | 21-24℃ |
室温を30℃前後にするとさすがに人間が暑いので、子猫を囲った場所がだいたい↑の温度くらいになるようヒーターを入れてあげると良いでしょう。
ミルクの与えすぎに注意
子猫の身体が温まってきたら、ぬるま湯を少し口の中に垂らして、『ゴクン』と飲み込むことができたら少しずつ量を増やしていきます。
飢餓状態の子猫に、大量のミルクや流動食を与えるとインスリンが急に分泌され、
- 脱力
- 痙攣
- 筋力低下
- 不整脈
などの症状を起こすことがあるので注意が必要です。
ミルクを与える量、人口哺乳については別記事でご紹介しています。
同居猫、犬がいる場合
野良猫はなんらかの病気(ノミダニ、寄生虫、感染症など)を持っている確率が高いです。
同居猫・犬がいる場合は、おそらく気になって子猫の近くまで寄って来ると思いますが、触れ合いをさせない様に気を付けてあげてください。
- 触れ合いをさせない(同じ部屋はOK、猫同士はくしゃみなどの飛沫がかかる範囲はNG)
- 食器やトイレ、トイレスコップの共有をしない
- 子猫を触ったあとはよく手を洗う
特に猫同士でうつってしまう病気を持っている可能性があるので、保護した子猫は病院に連れて行って検査をするまでは段ボールやゲージなどで囲い、一定期間隔離をしましょう。
初めは段ボールや衣装ケースなどで応急対応して、その後数週間は隔離も移動もできる簡易的なキャリーゲージがあれば良いかと思います。
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まとめ
母猫がいない生まれたばかりの子猫を育てるのはとても大変なことですが、小さな命を救えた時の気持ちは何物にも代えがたいものです。
実際に動物病院でも、弱っていて危険な状況で保護された子猫ちゃんたちが来院されます。
『あぁ、難しいかな、、、』と思う子でも、少しずつ回復してくれたときは本当に嬉しくなります。
弱って保護された猫ちゃんが、無事に成長できる子が少しでも増えますように。
今回の記事が参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!

写真は状態が少し良くなった時のものです。現在はすくすく育ち、いたずら大好きなやんちゃくんです^^