今回は“犬猫が食べてはいけないもの”シリーズ第三弾です。
前回、前々回は”食べると中毒を起こしてしまうもの”についてお伝えしました。
今回は食べても中毒は起こさないが、緊急手術になってしまうかもしれない『異物の誤飲』についてお伝えします。
実は中毒よりもずっと多いのが異物の『誤飲』です。
私の職場でも、実際に異物の誤飲で手術になった子がたくさんいます;
毛糸で遊んでいた子猫が針ごと飲み込んでしまったり(針は食道にささっていました;)、ドッグランで遊んでいて誤飲してしまったり・・・。
手術で取り出してみても、『これ何?』と思うような、なんだかよくわからないものを飲んでいたりします^^;
今回は、
- 日常で、犬猫が飲み込みやすいものとは?
- どんなものに注意したらいいのか?
- もし飲んでしまったらどうすればいい?
前にお伝えした中毒と同じように、多くの方に異物の誤飲について知ってほしいと思い記事にしました。
日々ペットと一緒に暮らす上で、今回の記事の内容を気を付けて過ごして頂けたらと思います。
こんな人が書いてます→プロフィール
”異物”って何?
本来食べる目的で作られたものではないものをいいます。
ちなみに、誤飲(ごいん)とは、主に有害・危険な異物を飲み込んでしまうこと。
その異物には、気管に挟まり最悪窒息してしまう物、食道や胃が侵される物なども含まれる。
(byWiki)
飲み込む危険性の高いペットはどんな子?
- 若くて好奇心旺盛な子
- 食いしん坊な子
- 遊び好きな子
飲み込みやすい物とは?
犬の場合

- ゴムボール・スーパーボール
- 果実の種・梅干しの種
- スポンジ
- 焼き鳥の串(串ごと丸呑み)
- 石・土・砂利
- ティッシュ・ペットシーツ
- 飼い主の靴下・下着
- …etc
*石や砂利を食べる子は,貧血をしているなど病気の可能性があるので注意です
猫の場合

- リボン
- 布切れ
- ひも
- 毛糸(針)
- ビニール
- …etc
特に注意が必要なもの
上記にあげたものの中で、特に注意が必要なものをお伝えします。
竹串

竹串が胃や腸を突き破ると、腹膜炎をおこしたり、筋肉や皮膚を破って体の外へ突き出してくることがある。
夏場のバーベキュー、冬のクリスマスシーズンに飲んでしまう事が多い
トウモロコシの芯

大型犬が丸呑みしてしまう事がとても多い。
腸に引っかかると緊急手術になる。
夏場に多く、ゴミ漁りをして食べてしまうパターンがほとんど
リボン

糸状の細長い異物が腸に入ると、腸の動きによって腸自身がアコーディオンのように縮まってしまう。
こうなると腸の粘膜が傷ついて出血したり、腸が切れて腹膜炎を起こすことがある。
遊んでいてそのまま飲み込んでしまう事が多い
特にリボンはクリスマスシーズンに多い
実際過去に、紐(ヒモ)を飲んでしまった猫ちゃんに、腸を何か所も切って紐を少しずつ取り出す手術を行った子がいます;
飲み込んだ異物は体内のどこへ?症状は?
口⇒食道⇒胃⇒胃の出口⇒小腸⇒大腸⇒肛門
中毒物を飲み込んだ場合を除き、肛門から出られるほどの大きさの異物であれば大変な問題にはなりません。
しかし、異物が胃の出口をふさぐ、胃の中の食物の流れを妨げるほどの大きさであれば、急な吐き気を起こします。(何度も嘔吐する)
そして、飲み込んだ異物が胃の出口を通って小腸に入った場合、腸を通れない大きさの異物は途中でつまってしまい、腸閉塞を起こすことがあります。
*腸閉塞:腸内の流れが止まる事
飲んでしまった場合の治療法
胃の中にまだある場合は、刃物など尖ったものじゃなければ全身麻酔下で、内視鏡を使い取り出します。
既に腸に流れていて、異物がつまっている場合は開腹して腸を切る手術を行い異物を取り出します。
腸閉塞を疑われる場合は、緊急手術になります。
閉塞したままにしておくと、腸が破裂し腹膜炎をおこし、命に関わる深刻な状況になるからです。

まとめ(+誤飲を防ぐポイント)
さいごに、誤飲を防ぐポイントをまとめました。
- 留守中はゲージに入れておく
- ゴミ箱はペットにたおされないもの、フタつきのものを使用する
- 散歩の際は口輪をつける
- リボンなどじゃれて遊べるような細長いものを放置しておかない
普段から拾い癖のある子や、食べ物に執着のある子は特に注意が必要です。
そしてあるあるなのが、”一度誤飲したことがある子はまた誤飲する”、ということです。
実際2回以上手術を行った子も少なくありません;
異物は飼い主さんの意識次第で防げる病気ですので、↑でお伝えしたポイントをおさえつつ、誤飲できない飼育環境をつくり、大切なペットを誤飲から守りましょう。
今回の記事が参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!