こんにちは、カオリ(@Happy_PetLife)です!
ワンちゃんがお花の匂いをくんくんしている可愛いお写真。
一見なんの問題もないようにみえる普通のお写真ですが、実はわんちゃんにとって、危険がひそんでいるんです。
今回は、日常にひそむ食べたら絶対にNGな犬猫が中毒を起こすものについてお伝えしたいと思います。
- 犬猫が食べると中毒をおこす物とは?
- 普段どんな事に気を付ければいいの?
- どれくらいの量を食べたら危険なの?
- もし食べてしまったらどうしたらいいの?
前回は中毒を起こす”食べ物”についてでしたが、今回は”食べ物以外”で、身近にあって実際に誤食が多いものをご紹介します。
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今回ご紹介するものは日常生活を送るうえで、特に気を付けてあげるようにしましょう。
中毒とは?
毒性物質を飲み込んだり、吸い込んだり、皮膚や眼、または口や鼻などの粘膜に接触したときに生じる有害作用のこと。
中毒を起こすもの6つ
睡眠薬・抗精神薬

原因:ベンゾジアゼピン系
症状:1時間以内に発症。過度の睡眠、鎮静、昏睡、呼吸停止
- 薬が短時間効果型(ハルシオンなど)の薬だと作用が切れるのも早い(長時間型だと遅い)
- 飲んでしまってから30分~1時間以内に吐かせる処置を行う
- 解毒薬あり
注意する事
薬の管理に気を付ける。もし床に落としてしまったら必ず拾うようにする。
解熱鎮痛剤(シップ含む)
飼い主さんの中には、中毒を起こすと知らず、『足を痛がっていたから飲ませた』という方も過去にいらっしゃいました。
そして最近は、新型コロナウイルスのワクチン副作用をおさえるために解熱剤を飲む方が多いので、薬の管理にはくれぐれも気を付けてあげましょう。
アセトアミノフェン(カロナール・バファリンなど)

原因:アセトアミノフェン
症状:1~2日以内に発症
犬⇒嘔吐、元気食欲がない、ふるえ
猫⇒嘔吐、食欲不振、浮腫、低体温、貧血、チアノーゼ、呼吸困難、赤血球障害
- 猫は犬より重症になりやすい
- 犬で1kgの子が約1錠飲むと中毒症状
- 猫では2kgの子が約1錠飲むと中毒症状
- 解毒薬あり
注意する事
薬の管理に気を付ける。もし床に落としてしまったら必ず拾うようにする。
イブプロフェン(イブ、ロキソニンなど)

原因:イブプロフェン
症状:嘔吐、下痢、食欲不振、吐血、多飲多尿、急性腎不全、けいれん、昏睡
- 猫は犬より重症になりやすい
- 少量でも中毒症状を起こす
- 犬猫にも鎮痛剤は処方するが、イブプロフェンは基本的に使用されない
- シップ(外用薬)も含まれる
注意する事
薬の管理に気を付ける。もし落としてしまったら必ず拾うようにする。
腰や足など、どこか痛がるからと人間の痛み止めを自己判断で与えない。
使用済みのシップを犬猫が届く場所に捨てない。
タバコ

原因:ニコチン
症状:30~60分以内に発症。嘔吐、呼吸が早くなる、高血圧、けいれん、昏睡
- ニコチンが吸収される前に大半が嘔吐する
- もし1kgの子がタバコ1本を飲んでしまい、ニコチンがそのまま吸収されたら死亡
- タバコ浸出液(タバコを水につけた黒い液)がリスクが高い
注意する事
水を飲ませるのは、ニコチンが吸収されやすくなるので絶対にNG。
散歩中も、拾い食いが多い子は要注意。
ユリ科植物

原因:花びら、おしべ、葉、花粉
症状:1~3時間で発症。無症状、もしくは嘔吐、嗜眠、よだれ。2日後に急性腎障害になることがある。
- 猫ではユリ中毒は有名だが、犬も中毒が発症する
- 初期段階の治療で生存率100%
- 急性腎障害になったら生存率は0~50%
注意する事
自宅にある観葉植物と散歩中に注意。落ちた葉や花びらの誤食が多いので気を付ける。
ユリ科の植物⇒ユリ、チューリップ、カタクリ
キシリトール

原因:キシリトール
症状:30-60分で低血糖、~2日位症状が持続。嘔吐、虚脱、運動失態、ケイレンなど
- 主にキシリトールガムの誤食が多い
- 犬では有名な中毒だが、猫でも中毒症状が発症する
- 製品によってキシリトールガム含有量は異なるが、だいたい5kgの子で1粒食べると低血糖、5粒食べると肝障害になりやすい
注意する事
匂いが強いガムの保管場所に気を付ける。ゴミの管理にも注意する。
不凍液・ウィンドウウォッシャー液・保冷剤(やわらかい)

原因:エチレングリコール
症状:嘔吐、急性腎不全、体温低下、頻脈、神経症状、血尿、発作など
- 猫では犬より中毒になりやすい
- 人でも他の動物でも重篤な腎障害を起こす
- 無色無臭だが、少し甘味がある液体なので舐めてしまう可能性がある
- 解毒剤あり
注意する事
保冷剤(やわらかいもの)が破れないよう気を付ける。不凍液、ウォッシャー液は保管場所に気を付ける。(車内に保管する場合は犬が届かない場所へ)
除草剤について

今回中毒を起こしてしまう6つの中には含めませんでしたが、”除草剤”も注意が必要です。
昔は除草剤をまいていた草の上で転がって遊んだ犬が、酷い皮膚炎で来院した事もありましたが、最近は除草剤も改良されているらしく犬猫に影響を与えるものが少なくなってきたように感じます。
ですが薬剤によっては犬猫の皮膚についたり、舐めてしまったり、吸い込んだりすると重症な中毒症状(けいれんなど)を起こす場合がありますので要注意です。
気を付ける事
普段から花壇、草むら、駐車場などには近寄らない(一部分だけ枯れている箇所がある場合は要注意)、散歩から帰ったら足をよく拭くなど、お散歩中、その後は気を付けるようにする。
ペットを飼っている方が自宅の庭に除草剤を使用しなければいけない場合は、必ず犬猫に影響のない物を選ぶようにする
除草剤に限らず、殺虫剤など一般的に『毒』とされているものは取り扱いにくれぐれもお気を付けください。
もし食べてしまったら・・・
まずは慌てずに
①動物病院へ電話をして指示をもらう
電話で連絡をする際は、
- ペットの種類と体重
- どんなものを食べたか
- どれくらい食べたか
- いつ(何時ごろ)食べたか
を目安でいいので伝えてください。
食べた量が少量の場合は、無処置で様子をみる場合があります。
もし症状がある場合はすぐに動物病院へ。
②動物病院へ連れていく
来院時は、商品パッケージ、説明書など成分が分かるものがあれば、持って行った方が診察がスムーズです。
誤って食べてしまってから、そんなに時間が経っていなければ(食べた物によりますが)吐かせることができます。
どんな治療をするの?
獣医療行為なので、詳しくは省きます。
- 吐かせる処置:中毒物摂取から1~2時間以内に行う
- 胃洗浄:全身麻酔で、胃内に水を入れて洗浄、中毒物を回収する
- 活性炭投与:活性炭は吸着力がつよく(アルコールなど吸着されない物質も有)効率的に毒物を吸着できる
- 排泄補助:点滴、利尿剤の使用
- 解毒剤:薬剤には拮抗薬が存在する場合がほとんど。注射や点滴などで使用。
まとめ
人間にしたらまさかと思うような、本当に思いもよらないことをするのが動物です。
いくら日頃から注意していても、食べてしまうことはどんな飼い主さんでもありうることです。
もしそんな状況になったとき、まずは動物病院へご連絡ください。
今回お伝えしたもの以外にも、日常生活では中毒をおこすものはたくさんあります。
整理整頓、ゴミの管理をしっかりおこない、なるべく危険な状況を前もって回避するよう心がけましょう。
飼い主さんが、そして大切なペットが、毎日笑顔で暮らせますように。
今回の記事が参考になれば嬉しいです^^
最後まで読んでくださりありがとうございました!
