愛犬が寝たきりになってしまったら?
今現在、日本のシニア犬猫の飼育頭数は過去最も多い頭数となっているのをご存知でしょうか。
ペットも高齢化の時代です。
そこで増えてくるのが愛犬の介護問題。それはどんな飼い主さんも直面する事だと思います。
中でも、一番多いのが寝たきりの子の介護のご相談です。ついで食事、歩行相談、認知症、トイレのコントロール。
今回は、実際に自身が飼い犬を2年間介護した経験を活かし、愛犬の介護でお困りの飼い主さんへ、シニア犬の介護テクニック、ポイントをお伝えします!
現在愛犬を介護している飼い主さんはもちろん、数年後に必ずやってくるシニア期に元気に過ごしてもらうための、認知症予防のお話もお伝えしています。
- 寝たきりの床ずれ対策
- 食事のテクニック
- 夜鳴きやトイレのコントロール
- 徘徊行動の対策
- 認知症の予防法
第一弾は”寝たきりのワンちゃんの介護”について。
飼い犬が寝たきりになった時に快適に過ごすには?
一番のポイントは床ずれ対策、ベッドの環境です。
- 寝たきりの子が快適に過ごすためにはどうしたら良い?
- 床ずれができないようにするには?
- 床ずれができてしまったらどうしたら良い?
床ずれは対策をすることで予防ができ、夜鳴き対策にもつながります。
床ずれはもちろん、夜鳴きでお困りの飼い主様も、今回ご紹介する方法を参考にして頂けると嬉しいです。
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床ずれ(褥瘡)とは?

褥瘡(じょくそう)ともいいます。
同じ姿勢のまま何時間もそのままでいると、部分的に圧迫されて血流が悪くなり、皮膚や筋肉の細胞が死んでしまうことで、床ずれはおこります。
細胞が死んでしまうと、皮膚が次第にうすくなり、いずれ破れてしまいます。
床ずれしている部分が細菌感染してしまうと、膿が出てくる場合もあります。
放っておくと、どんどん症状が進行してしまうので、早期発見治療が大切です。
床ずれができやすい部位は?
わんちゃんの体は被毛で覆われているので、床ずれができていてもわかりづらいため、飼い主さんは意識してみてあげるようにしましょう。
↓の部位の毛が固まっていたり、かぺかぺになっていると皮膚が膿んでいて、床ずれの可能性が高いです。
- 肩
- 腰
- かかと
- 頬骨など
骨がでていて、体重のかかる部位になりやすいのが特徴。

床ずれの治療方法は?(写真で解説)
”これをしたら1日で良くなる”という方法はないので、基本的なことですが消毒を毎日おこなうことです。




ネットで保護するとガーゼがはがれにくいです。
この流れを1日2回行います。(毛刈りは毛が伸びたときだけ)
更に治りをよくするには、最近はあまり使う先生も少ないかもしれませんが、近赤外線治療があります。

近赤外線治療:あたたかい赤い光を患部にあててあげると、血行がよくなり、症状を緩和する(鎮痛・消炎)効果があります。
- 大体5分くらいで終わり、動物に副作用や痛みはありません。
- 近赤外線は、床ずれの他に椎間板ヘルニアや口内炎など炎症にも効果があるといわれています。
照射回数が多ければ多いほど治りが早くなるので、できれば毎日行うことをおすすめしますが、中々難しいですよね^^;
治療器のある病院でしか行えないのと、実際の使用感は”やらないよりはやった方が効果があるかな”位なので強くおすすめはしません;
治療開始2週間後→→→→→

かさぶたを作りながら、うまくいけば数週間で小さくなり治ります。
ただし、対策をしないと治りづらかったり、別の部位にも床ずれができてしまいます。
床ずれ予防対策5つ
床ずれを予防する、5つの方法をご紹介します!
①介護用マットを使用する

普段寝ているベッドを、低反発もしくは高反発マットにしてあげると、床ずれ予防になります。
寝たきりの子は尿や便で汚れてしまうので、防水のものをおすすめします。
- 寝返りができる、立ち上がることができるなど割と自身で動ける子:高反発マット
- 寝ている時間が長い、動けない子:低反発マット
- 防水or洗えるもの
マットレスの上に厚手の毛布やバスタオルを敷くのはNGです。
ペット用に考えられたマットレスも高機能で良いですが、中・大型犬の場合はニトリなどで販売されている人用の方が安く購入できるかもしれません。
*【選び方】【注意点】【おすすめマットレス】は別記事で詳しくご説明していますので、よければコチラの記事をご覧ください↓

②2-3時間おきに寝がえりをさせる

反対方向にしたり、うつ伏せにしたり、色々な向きに数時間毎に変えて同じ場所が長時間圧迫されないようにします。
③マッサージをする
円を描くように体を撫でてたり、優しく揉んでマッサージすると血行が良くなります。
愛犬とのコミュニケーションにもなり、とても大切な時間ですね。
④体を清潔に保つ
尿や便は床ずれの原因にもなりますので、排泄していたらすぐに片づけます。
もし汚れた場合は、小型犬であればお尻だけ洗ったり、温かいタオルで拭いてあげましょう。
オムツは長時間みてあげられないときは必需品です。
ただしむれたり、擦れたりしてしまうので、着けない時間もあった方が良いです。
おすすめはユニ・チャームの介護用オムツ。
サイズが豊富で素材感もやわらかく、吸収性も高いのでおすすめです。
⑤靴下をはかせる
高齢犬は血液の循環が悪く、足先が冷えてしまう事がよくあります。
- 犬用の靴下
- 家具の傷防止脚カバー
などを利用して、足先が冷えないようにしましょう。
起き上がろうとバタバタして足の皮膚が擦れてしまうこともあるので、靴下は皮膚保護の意味でも大切です。
ただし底が滑ってしまう靴下は、食事時など起き上がらせるときは脱がせるようにしましょう。
さいごに
ペットの平均寿命は年々長くなっています。
可愛い愛犬、愛猫が長生きしてくれるのはとても嬉しいことですが、それと同時に介護が大変という声をよくお聞きします。
普段の生活をしながら、仕事に行き、介護もする、本当に大変なことです。
私自身も、18歳で旅立ったMダックスを約2年間介護をしていました。
当時は精神的にも体力的にも大変で辛い時期もありましたが、今思い出すのは可愛かった愛犬の事ばかりです。
介護に正解はありません。
自分に合った方法で、わんちゃんと飼い主さんがお互いに少しでも快適に過ごせるよう、今回の内容が参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
