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【歩けなくなる前に】高齢犬に車イスを絶対おすすめする理由

こんにちは、カオリです。
事故や病気、年齢など様々な理由で、飼い犬が歩けなくなってしまう状況があるかと思います。
私は、そんなワンちゃんには積極的に車イスをおすすめさせて頂いています。

犬に車イス・・・?なんだか可哀そう・・・とネガティブに捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、車イスはそんな考えを180度変えるくらいワンちゃんにとっても、飼い主さんにとっても良い歩行補助アイテムです。

私の愛犬も、16歳の頃から病気で後ろ足が歩けない状態になり、車イスを使用し始めました。
その体験談をふまえて今回は、

  • 愛犬が事故もしくは病気で足を引きずっている
  • 筋力が落ちて歩行時にふらつきがある
  • 介護用のハーネスを使っているが、お散歩が大変
  • 車イスを使おうか迷っている
  • どんな車イスにしたら良いかわからない

こんなお悩みをお持ちの飼い主さんへ、

  • 車イスをおすすめする理由
  • 車イスを選ぶポイント
  • 使用する際の注意事項

についてお答えしたいと思います。

こんな人が書いてます→プロフィール

車イスが必要になる状況

車イスは完全に歩けなくなったワンちゃん以外にも、リハビリや歩行補助にも使用できます。

  • 椎間板ヘルニアなど病気で手術を行った場合のリハビリ
  • 事故のリハビリ
  • 介護の歩行補助

高齢犬なども、完全に歩けなくなってしまう前に使用する事もできるんです。

車イスをおすすめする理由

車イスでのリハビリのことを「カートセラピー(車いす療法)」といい、術後のリハビリに効果を発揮するといわれています。
術後のリハビリで使用する場合は、以下のメリットがあります。

  1. 筋力の維持
  2. 足を正しい姿勢に維持することで、感覚を取り戻す
  3. リハビリによる飼い主さんの体力的、時間的な負担、ストレスの軽減
  4. 長い時間の散歩も可能になり、ワンちゃんのストレスの軽減

人間もそうですが、病院で入院生活が長くなったり、寝たきりになってしまうと体力が落ちたり、認知症が進行したりあまり良い状況にはならないと思います。
それは高齢のわんちゃんも同じです。
ゆっくりでも『歩く』ことは代謝を良くさせ、内臓の動きを活発にしてくれます。

以下は介護時に車イスを使用するメリットです。

  1. 筋力維持
  2. 痛みの緩和
  3. 外を歩くことで刺激を与える、リフレッシュする
  4. 歩きたいワンちゃんのストレス軽減
  5. 床ずれ予防
  6. 運動することで夜鳴きなどの軽減(夜に寝てもらう)
  7. 排泄や食事の補助

車イスを選ぶ5つのポイント

わんちゃんと飼い主さんが快適かつ安全に使用できるということが、大切なポイントになります。

  • 前足が動く子は2輪から2輪から4輪にカスタムできるものを選ぶ。
    車イスにはタイヤの数が2輪(後ろ足のみ)と4輪(前後両方)があります。前足が動く子は2輪で大丈夫ですが、介護で使用する際は次第に前足も弱ってくるので、2輪から4輪にパーツを追加できるものを選ぶようにしましょう。
  • 股や脇があたる部分がクッション仕様になっているもの。
    どうしても皮膚が擦れてしまうので、皮膚が当たる部分がやわらかい仕様になっているものを選ぶようにしましょう。
  • 着脱が簡単なもの。
    1日に何度も着けたり外したりするので、着脱が簡単にできるものの方が良いです。
  • 軽量で頑丈なもの。
    なるべくわんちゃんの負担を減らして快適に使ってもらいましょう。アルミ製のものが軽くて丈夫です。
  • サイズ調整が可能なもの。
    その子のサイズに合わせた車イスを使用するようにします。

レンタルができる会社もある

リハビリだけで一生使うわけじゃないし・・・、高齢だし・・・と購入をためらってしまう飼い主さんも多いかと思います。

  • 本当に効果があるか試してみたい
  • ちゃんと使えるか練習したい
  • 手術後のリハビリに短期間だけ利用したい

こんなお悩みをお持ちの飼い主さんは、レンタルをおすすめします。

実際私も、飼い犬が使い始めた年齢が16歳だったので、いつまで使い続けることができるかなぁと悩み、車イスのレンタル(月払い)をしていました。
2年近く使用していたので結局は買った方が安かったという結果になりましたが^^;

使用する際の注意事項

  • 必ずサイズにあったもの(調整可能orオーダーメイド)を選ぶ
  • 皮膚の擦れに気を付ける皮膚が赤くなっていたら病院で診てもらいましょう
  • 段差のあるところや傾斜地では必ずリードを付ける
  • 長時間乗せたままにしたり、歩かせすぎないように気を付ける
  • 室内で使用する場合は、タイヤが家具などに引っかからないよう家具や物の配置に気を付ける
  • 前足が弱っている子はフローリングではなく、カーペットや滑り止めの上を歩くようにする
  • 人が見ていられないときは使用しない
  • 排泄の問題は、こまめにトイレにつれていくか、オムツを付ける
  • 足を引きずる子には靴下(保護ブーツ)を使用する

実際に愛犬(Mダックス)に車イスを使用した感想

16歳頃から、ホルモン疾患で後ろ足がおぼつかなくなった愛犬。
認知症もあったので、歩きたいのに歩けないもどかしさ(ストレス)からベッドの上でバタバタと暴れて鳴くようになりました。

寝たきりになると弱るのも早く、床ずれ予防のためにも車イス(K9カート)を選択しました。
年齢のこともありレンタルにしましたが、18歳で亡くなる1~2か月ほど前までの約2年間は車イスに乗って歩くことができました。

使い始めは上手く乗れなくて歩けなかったり、転倒してしまうこともありましたが、すぐに上手に使えるようになります。

前足が滑ってしまうことがあったので、室内で使用する際は、手作りサークルの中にペットシーツ、その上に滑り止めを敷き、その中を車イスで歩いていました
オムツを付けて車イスに乗せていましたが、たまにウンチがオムツから落ちてタイヤで踏んでしまう悲惨な状況も・・・(;°-°;))) 

そして、車イスは歩くこと以外にも、食事をするのにとても便利なんです。
寝たきりの状態でご飯を与えるのは中々難しく、誤嚥(ごえん)を防ぐためにも体を起こす必要があり、十分な量を与えるのにも時間がかかりますし、大型犬だと体力も使います。

その点、車イスに乗せるとても簡単に食事を与える事ができました。
(食事中は動かないようにストッパー、もしくはタイヤを足でおさえておきます)

私は愛犬が18歳まで頑張ることができたのは、この車イスを使用したことも一因としてあると思っています。
寝たきりになると弱るのが早いと初めにお伝えしましたが、本人のストレス軽減(QOLの向上)のためにも使用して本当に良かったと思います。

やっぱり嬉しそうに尻尾を振って車イスで歩く姿をみると、飼い主としても本当に嬉しい気持ちになるんです。
これに尽きると思います。

さいごに

今回は車イスの使用についてお伝えしました。
車イスの使用については悩む方も多いかもしれませんが、ワンちゃんに少しでも快適に過ごしててもらうためにも、使って後悔はしないと思います。
きっと『歩く』行為の大切さを実感できると思います^^

車イスを手作りする飼い主さんもいらっしゃいます(もちろんみなさんしっかり調べて車イスを作られているのも承知しています)が、皮膚が擦れて皮膚炎をおこしたり、転倒の危険、余分な可動域で無理な動きをさせてしまう可能性があるので、私はワンちゃん用にプロが作った既製品の方が良いのかなと思います。

今回の内容が、愛犬の車イスでお悩みの飼い主さんへ、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!

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カオリ
北海道の動物病院に勤務する、動物看護師です。 犬、猫、動物を愛しています! ペットと飼い主さんの笑顔が増えるよう日々研鑽しています。 暮らしに役立つペット情報や犬猫の病気・フード・介護の事などをわかりやすくをモットーに発信しています。 ペットと一緒にハッピーライフを^^